ブログ「工房だより」

●穂先の破損

2019年08月07日


和竿の破損事故のほとんどは、グラス穂先の先端部の破損です。PEラインが穂先のガイドに巻きつき、それに気づかずに竿に力をかけてしまうと、ラインの巻きついた部分がいとも簡単に折れてしまいます。魚を取り込んだときなどにもラインが緩んでガイドに巻きつき、魚が暴れて破損してしまうこともあります。市販のカーボン竿やグラスファイバー竿の多くが和竿と同じグラス穂先を使ってますが、和竿はそれらに比べより穂先を削り込んでいるものが多く、そのぶん破損しやすくなってます。
私が経験した竿の修理のほとんどが、このPEラインによる穂先の破損です。ガイド1個分の破損なら、すこし穂先が張った感じになりますが、そのまま使うこともありす。ガイド2個以上の破損となるとそうはいかず、穂先を竹から引き抜いて新しい穂先に替えます。
この穂先の取り替え修理はおおいに予想されることなので、私は穂先と竹の接着には木工ボンドを使ってます。木工ボンドは加熱すると溶けるので、穂先を竹から引き抜くことができます。エポキシ樹脂接着剤を使うと容易には抜けません。また穂先を差し込むすげ口もこの作業を予測して、あまり削り込まず肉を残しておきます。


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