●タチウオ竿

2021年01月19日

深場用タチウオ竿の実釣記  
 上主和竿工房の新機軸、一本仕立ての深場用タチウオ竿を片手に、東京湾へと繰り出したのは寒のさなかの令和3年1月15日。小柴港の三喜丸に乗船する。目下の釣り場は猿島が望める横須賀沖。オモリ80号を使用して、指示ダナの60~50メートルを間断なく誘い続ける釣り。  
 北風ポチャポチャの海で、下げ潮の効く一日。左舷ミヨシの私の釣り座は決して有利ではなかった。案の定、船中第一号は潮先となる左舷大ドモのご婦人が手にしてスタート。その女性が2本目を取り込む時、やっと私の初おろしの竿にもククッと魚信があった。 近視の私は車の運転も眼鏡が頼りだが、冬場の釣りでは波しぶきでレンズは汚れ、すぐ視界不良となる。そこで最近は眼鏡を外して釣りをする。つまり、竿先の変化を視覚で察知するのではなく、握った竿の振動を手の平で感受する触覚を当てにしての釣りが多い。和竿のヒラメ釣りやライトアジでも同様だ。 その点でも新機軸の一本仕立て竿はタチウオが身エサをくわえる魚信をダイレクトに伝えてくれる心強い味方だ。微かなシグナルを察知して、そのまま誘い続けるとグンと重みが増した。ここが肝心の合わせ時と、水面から頭上へと竿先をハネ上げる。  
 ハリ掛かりしたタチウオは荒々しくも変化に富んだ強引きを見せるが、テーパーのある布袋竹の弾力が難なく吸収してくれる。かくてメーター級を確保した。これが快進撃の始まりで、結局、1メートル18センチのドラゴン級も含めて27本を乱舞させる幸運の釣り。13時前にお先に納竿せざるを得なかった。良型揃いで持参した30リットルのクーラーにはトグロを巻かせても入らなかった次第。  
 さて、このタチウオ釣りの竿で大事なポイントは2つある。身エサを小魚のように終始動かしてないと釣りにならないから、先調子の操作性の良い竿が必須だ。もう一つは確実にハリ掛かりさせる力のある胴が求められる。合わせがちょっとでも甘かったり、タイミングを逃すとハリを飲み込まれて、一瞬のハリス切れに泣く。従って、ハリ先を口の端に抜き出す勢いで竿を立て、巻き上げるのを心掛けたい。  
 こうした観点から、今回の深場用の一本仕立てのタチウオ竿は及第点どころか、申し分なくぶっちぎりの竿頭だって夢ではない。極先調子だけに、昨秋、流行したテンヤ仕掛けでも十分対応してくれるに違いないだろう。(文責 庄山 晃)
一本仕立ての竿  
 一本仕立ての竿とは、一本の竹に穂先(グラスソリッド)を継いだだけで仕上げた竿のことです。  
 通常の船竿は穂先、胴竹、握り(グリップ)の3つ素材を継いで仕上げます。穂先と胴竹は、穂先にかかった力が自然に胴竹にのっていくように継ぎます。握りは胴竹より二回りくらい太い竹を使い、魚を掛けたときの竿の曲がりは握りの手前で止まります。こうすることによって手元を安定させ、先の軽い操作性のよい竿にするのです。  
 それに対し一本仕立ての竿は、穂先から下は一本の竹で仕立てるので、竿尻に向かって一節ごとになだらかに張りは強くなっていきます。  
 写真の竿が上記釣行記の竿です。タチウオ釣りはしゃくり続ける釣りになるので、全身バネのようになる一本仕立ての竿はいいような気がします。  
 左の何本かの竹は一本仕立て用の素材です。節が揃ったテーパーの強い竹で、先調子に仕上がります。カワハギクラスからヒラメ、ヤリイカクラスまで多種多数揃ってます。一本いかがでしょうか。(文責 上主和孝)

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