●竹採取のポイント
2022年12月26日
今年も九州へ竹採取に行ってきました。宮崎県の日南市です。宮崎県も高千穂峰や韓国岳の麓あたりは冬は非常に寒いのですが、日南市はいつ行っても暖かです。北風があたらず、竹林に入ると汗をかくほどです。今回も採れました。ツキが続いてます。
釣竿用の竹の供給はなくなりました。薩摩川内市の竹問屋さんが最後まで頑張ってましたが、3年くらい前に廃業しました。今回訪れた宮崎県では30年前にすでになくなってます。良材は自分で探すほかありません。
竹の採取を始めてみようという方のために、私のこれまでの経験をもとに竹採取の勘所を記してみます。
● なさそうな竹林には入らない
九州へ行くと場所によっては至る所に布袋竹林がありますが、そのほとんどの竹林には竿になる竹はありません。なさそうな竹林とあるかもしれない竹林の見分け方を知っておくことが大切です。
●釣竿になる竹のない竹林
◎背が高く、太い竹の並ぶ竹林→年月の経った古い竹林がそうなります。竿になる竹は1円玉の口径以下の竹です。
◎川沿いに走る道路下などの低地から生えている竹林→この環境の竹林が多いのですが、陽を浴びようと背を伸ばす竹ばかりです。背を伸ばさなくても十分に陽を浴びられるところでないと釣竿用の竹は生えません。
◎水っけのある土地の竹林→水分が常に保たれている土地の竹は材質が柔らかいです。畑地の地続きにある竹林、水辺の竹林、常緑樹林に隣接する竹林などがそうです。
◎人が入らない竹林→生え放題で、陽を浴びようと競って背丈を伸ばします。
●釣竿用の竹があるかもしれない竹林
◎人家に近く人がよく出入りする竹林→九州の人は布袋竹の筍が好きで春には竹林に入って採取します。そのため、竹林の所々を伐採して明るい竹林にしておきます。またそういう竹林は農家の方が農作業用の竹を取りにくる所でもあり、さらに陽の差し込む竹林になります。陽が入ると竹は背丈を伸ばさなくてもいいので、節の詰まった竹が生えます。
◎水っけの少ない土地の竹林→竹が密に自生せず、また材質の硬い竹になります。布袋竹林の多くは川沿いにありますが、石積み堤防の石の隙間に生える竹は良材が多いです。岩盤質の山の切り通しなども水捌けがよく良材が生えます。
◎定期的に伐採の入る竹林→砂利採取など何らかの理由で竹林中に車道が必要で、その管理のため定期的に伐採が行われている竹林があります。そういった竹林は常に明るく、車道付近に節の詰まった竹が生えます。
◎新しい竹林、再生竹林→杉の伐採や山崩れの後その場所にいち早く生えた竹は背丈を伸ばす必要がないので節の詰まった竹になります。伐採された竹林がその後放置され新たに生まれた再生竹林もそうです。ただ、2〜3年後には周囲に背丈の優った竹が生え、初期に生えた節の詰まった竹は立ち枯れしますので、採取のタイミングが合わなければなりません。