ブログ「工房だより」

●ヒラメ短竿

2021年11月04日

 片手で扱えるヒラメ竿を作りました。全長182センチです。
 これまで、ヒラメ竿は210センチ前後のものを多く作ってきました。竹の特性と相談しながら、実釣を重ねながら行きついた長さです。ただこの長さは両手で扱う長さで、凪の日など片手で持てる短い竿でやってみたいと思い、今回の短竿を作ってみました。以前カワハギクラスの竿でヒラメをやって、いい感じだったからです。
 短竿の利点はなんといっても小さなアタリが取れることです。餌のイワシを強く引き込むアタリはどのような竿でも難なく取れますが、イワシをかじっただけのコツンとしたアタリ、イワシをくわえただけで引き込もうとしないもたれるようなアタリなどは短い竿でないと見逃してしまいます。小さなアタリが取れれば釣果は増えるでしょうし、釣りの面白さも増します。また、誘いをかけやすいのも短竿の利点です。
 欠点は海が荒れているときや横流しで船下に大きく仕掛けが引き込まれるときなどは、竿が短い分釣りにくいです。また、置き竿には向きません。

穂先は210㎝クラスのものと同じで75㎝です。胴竹は20㎝位短くなってます。握りは両手でしっかり持つ竿は60㎝とってますが、この竿は50㎝にしてます。

60号の錘を下げた姿です。先端の25㎝あたりまでは曲がりますが、そこから先はたわまないように仕上げてます。食い込みの悪い時はこの先端の動きを頼りにヒラメとやり取りします。横流しで仕掛けが船底に引き込まれるときはこの先端で抱え込みます。


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